太宰治


私たちは「あれは読んだよ」というために読むのである。(ラム)

気になる作家がいる。
日本人なら誰でも知っているであろう、太宰治に惹かれる。

39年の生涯で5回 自殺未遂を図り、1948年(昭和23年)に玉川上水における愛人との入水心中により生命を絶つ。


太宰治は何を考えてこのような末路に到ったのか。
小説を通して太宰の思想、思考を感じ取ってみたい。

5回の自殺未遂や小説のデカダン的とも言える作風の為か、真に迫った作風を好む作家として捉えられているが、実際はユーモアの溢れるものも残している。
また坂口安吾織田作之助石川淳と共に「無頼派」または「新戯作派」の一人に数えられる太宰は、頽廃的な作風を好んだ、と一般に言われている。
しかしながら、太宰自身は退廃的な作品を書きながらも同世代の作家の中で最も「神を求めた人」であった、とする研究・評論も多くある。

小説の持つ頽廃的な印象とは逆に、太宰は聖書やキリスト教にも強い関心を抱き続けた。そして聖書に関する作品を幾つか残している。
その一つが『駆込み訴え』である。駆込み訴えでは一般的に裏切り者、背反者として認知されるJudasの心の葛藤が描かれている。

斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫)

斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫)


まず一冊読んでみることにする。
ほぼ半世紀前の小説、気にいるだろうか。