『ライ麦畑でつかまえて』

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

前から読もう読もうと言って、その度に保留してきた青春小説の金字塔『ライ麦』を読むことにした。もう一冊、村上春樹が訳したものもあるけれど、やはりこちらを先に読むのが筋というものだろう。とりあえず、冒頭の感想は文体がテンポ良く、明るくて、読ませてくれるという点に感心した。舞城王太郎の『阿修羅ガール』も似たような若者の口語で好き勝手喋るものだが、さすがサリンジャー(野崎氏)。舞城がお子様に感じる位の語り口である。全く50年前の作品とは思えない。廃れないのが文学なのかと感じた。