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青空文庫で芥川龍之介を読んだ。『鼻』と『あばばばば』である。
『鼻』は夏目漱石に認められ、文壇に入るきっかけとなった作品である。
僧侶の禅智内供は鼻が長く(太く)、それを気に病んで弟子に命令して鼻を短くする。しかし、短くなった鼻を見て周囲の人間に笑われ、自身もその普通の鼻に物足りなさを感じる。最後に鼻は元通りになり、内供はほっとして「これで誰にも笑われることはない」と自分に囁くのだった。
『あばばばば』はタイトルに惹かれて読んでみた。
タバコ屋の店番をする女はひどく恥ずかしがり屋で、保吉はその女を気に入った。だが、ある日を境に女が店からいなくなる。それから二ヶ月後、店の前で赤ん坊を抱いている女に会う。「あばばばばばば、ばあ!」とあやしているところで保吉と目が合う。保吉は女が恥ずかしがって顔を赤くするさまを想像するが、女は澄まして、赤ん坊をまたあやしだすのだった。
今まで芥川の短編は『蜜柑』を読んだだけだった。他にももっと読んでみたい。
本・読書 (100%) - 89位