『万延元年のフットボール』
- 作者: 大江健三郎,加藤典洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/04/04
- メディア: 文庫
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今日まる一日を使って読み終えました。僕は基本的に小説を娯楽物として捉えていたのですが、この作品を読んで考えが変わりました。おもしろい、おもしろくない、というどちらかの評価ができる質のものではないと感じました。きっと理解できた部分なんて過半数にも満たないだろうし、なにより、これほど混乱させられたのは「ノルウェイの森」以来です。
主観を”頑張って”物語世界に入り込ませて楽しもうと集中するのですが、この作品ではそれがほとんどできませんでした。主人公の独白や遭遇するできごとが非常に攻撃的で、自分に迫ってくることがあります。自分の過去の体験と重ねてしまい、心をまさぐられるような感覚になるのです。ただ読んでいて「辛い」のもあるのですが、一番は「凄まじい」という感想でした。この小説の影響させるチカラそのものに単純に驚きました。
本・読書 (100%) - 65位