『万延元年のフットボール』

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

今日まる一日を使って読み終えました。僕は基本的に小説を娯楽物として捉えていたのですが、この作品を読んで考えが変わりました。おもしろい、おもしろくない、というどちらかの評価ができる質のものではないと感じました。きっと理解できた部分なんて過半数にも満たないだろうし、なにより、これほど混乱させられたのは「ノルウェイの森」以来です。
主観を”頑張って”物語世界に入り込ませて楽しもうと集中するのですが、この作品ではそれがほとんどできませんでした。主人公の独白や遭遇するできごとが非常に攻撃的で、自分に迫ってくることがあります。自分の過去の体験と重ねてしまい、心をまさぐられるような感覚になるのです。ただ読んでいて「辛い」のもあるのですが、一番は「凄まじい」という感想でした。この小説の影響させるチカラそのものに単純に驚きました。


本・読書 (100%) - 65位


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