マルイが怖い

マルイの1階はキラキラで眩しい。ジュエリーや化粧品が並んでいて、それぞれが「男子禁制!」と訴えてくるよう。きっと彼女持ちなら可なのだろう。化粧品が人通りの多い一階なのは、香水やなにやらの匂いをこもらないようにするためだと聞いたことがある。だから、入り口がこうなのは仕方がないのだと、自分に言い聞かせる。今まで洋服を買うのが苦手で、もっぱらジーンズメイトユニクロのコンボで済ませてきた。でもそれも限界。アウターだけでも良いものが欲しい。
そうして、よせばいいのにマルイにやってきた。エレベーターなんて怖くて乗れません。当然エスカレーターです。はじめ右側を歩いていて、ふと「ああ! 誰も歩いているやつなんていないじゃないか!」と思い、不自然に左に寄ってみたり。で、目的の階に着くも、オシャレオーラに圧倒され、ぐるぐるするだけ。でもしっかりとチェック入れてる。ただ店員さんと目が合わないように気をつける。
だいたい5周くらいして、良さそうなお店へ。さっそく値札を見ると、ジーンズメイトの倍。次の値札は割かし安めだけど、桁が違うので買えない。店員が話しかけてくる。「なにかお探しですか?」の質問に「いえ見てるだけです」と答えようとするも、しどろもどろになり、ただペコリとするだけ。店員苦笑い。逃げるように店をでて、他の店舗に入ってみる。今度は奥のほうまで入れた。そしてまた値札チェック。財布と会話するも、ほぼ却下される。そうしているうちに、服を見に来たんだか、値札を見に来たんだかわからなくなる。「あ! この値札いい素材使ってる!」なんて、バカか自分。
結局ジーンズメイトでマルイにあったものと似たようなやつを見つける。安くていいものが手に入ったと思う。でも、本来の目的を思い出し、愕然とする。ああ、マルイが怖い。オシャレが苦手。