「電話男」読了


電車男の空前の大ブームも、若干冷めてきました。
そんな今、「電話男」なるものを読みました。


電話男 (ハルキ文庫)

電話男 (ハルキ文庫)


「電話男」は「とるこ日記 vol.6」で知りました。
乙一*1定金伸治が絶賛していたのです。


気になったのでググってみると、これです


うーん、ぜひ読んでみたくなりました。


で、読んでみると異常に読みやすい。
今もそうですが、原稿用紙一枚でいくらという原稿料がありますよね。
それの関係かどうかわかりませんが、この作品には多くの余白があるんです。
余白の美と言われますけど、心配したくなるほど余白があります。
もう改行しすぎなんです。


でも、小林恭二の文体は気に入りました。
浸りすぎないで、暗すぎない優しい印象を受けました。


余談ですが、この作品、実は1985年に発表された作品なのです。
僕なんかまだ生まれていません。
でも、生まれてないだけで、母上のお腹の中で3cmくらいの頃だったと思います。


この作品には、「文章の技巧!」とか「卓越した表現力!」というものには余り出会えませんでした。
けれど、作品の世界に引き込まれましたし、ところどころ笑えました。


乙一、定金の両名が傑作と言っていますが、果たしてどうなのか。
傑作というほどではないでしょうけれど、とてもおもしろい作品です。


したらばですノシ 

*1:僕の崇拝する作家。最近、中田永一というペンネームで活動しているという噂がある。