『ガール』

ガール

ガール

昨日は奥田英朗の『ガール』を読了しました。文庫化されていないから、ちょっと高い単行本を買いました。内容はオフィス小説の王道でした。それも主人公全員が三十路過ぎたOLばかり。『ひと回り』の構造が『マドンナ』と似ていて、楽しく読めました。
さて、男である奥田英朗が、なぜこれほど女性の気持ちなどが書けるのでしょうか。ライターやプランナーの仕事はそれほど女性が理解できる仕事とも思えませんしね。才能なのでしょう。プロとはすごいものです。
この間読んだ文芸誌の対談によると、奥田は生身の人間にインタビューをあまりしないそうです。書くときはいつも、書き出しを書いて、プロット展開させないで、そのまま筆の赴くままらしいですよ。『邪魔』の叙述トリックなんかもノープロットなのでしょうか。『最悪』にプロットがないと言われたら納得できないこともないですが、『邪魔』となると話は別ですからね。伏線の張り方もしっかりしたものだったし、読者に「まさか!」と気づかせる書き方も絶妙でしたから、頭の中にある小説の設計図がそれはそれは完璧なのでしょう。ほんと、恐れ入ります。




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