『向こう町ガール八景』 衿沢世衣子
どうやら後期製作する新聞のテーマが「mixi」に決まったようです。やるからには本気ですから、最近の事件をいくつか調べています。それでわかったのですが、いわゆるネット初心者の方々が恐ろしい数いることに気がつきました。特にチェーン日記騒動ですが、ちょっと考えれば携帯のチェーンメールみたいなものの亜種だと気がつくことができたはずです。
それと、これは賛否両論あるかとは思いますが、mixiに本名や経歴など、ネット上で個人を特定できうるような最高機密を載せる人がいます。「います」というか、ほとんどの人がそうです。mixiの利用者数は今や500万人。友人だけが見ているなんて大間違いです。SNSというのはもはや形だけで、個人情報が漏れまくりのカオスになっています。
今の時代、どんなに対策をしても個人情報は漏れてしまいます。僕も自分なりに自己防衛してきたつもりでしたが、今朝NTTから「個人情報が漏れました」なんて電話がかかってきました。膨大な数の個人情報が入ったPCを盗まれたそうです。「なぜ防げなかったのですか」と聞いたら、「物理的な盗難ですから」なんて言い訳されてしまいました。もしファイル共有ソフトでの漏洩だったら、もっと怒ってるって! そんなわけで、mixiは早々に潰れるだろうという予言をして、今日も本の感想を書きたいと思います。
- 作者: 衿沢世衣子
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2006/03/25
- メディア: コミック
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確か渋谷のVBで表紙買いした作品。たぶんメガネに惹かれたのだと思う。内容は淡々としていて、大きな事件が起きることもないです。ただ全体を包む世界観(と呼べるものかどうかわからないけれど)がよかった。
たとえば、新年を迎える瞬間はもちろんジャンプで! 「おれ今年も地上にいなかったぜ!」みたいなわかる人にしかわからんネタがあって笑えます。
誰か作家が言ってたんだけど(乙一かな?)、新年を迎えるのには「ブックオフ」がいいって話がありました。大晦日、誰と一緒に居る予定もなく、だからと言ってテレビを見ていてもその華やかなムードと自分の部屋のギャップが変で、急かされるように街にでる。でも、行くところもない。だからブックオフに行って、マンガを読むらしい。大晦日だからいつものように大賑わいではないけれど、どこか自分と似たような人間がマンガを立ち読みしている。なにか安堵する。自分もマンガを読む。ジョジョの第二部とかその辺。それで年が明ける。お店のBGMが変わる。心の中で「おめでとー」と呟く。そのお店と客と店員の変な一体感がおもしろいらしいです。
今年なんかはジャンプすることもなく、テレビにかじりついて部屋からでなかったので、それを読んだとき「なんてつまらん新年の迎え方をしてしまったのだ」と悔やみました。でも、岡村がなかなか燃え盛る玉を受け止めないからイケナイんですよ。だから不可抗力みたいなもの。
ただ年が明ける瞬間、一瞬だけ静かになって次に花火の音と除夜の鐘が聞こえてきたとき「こんなのもアリか」と思ったのを今でも覚えています。
本・読書 (100%) - 82位