舞台『Troubadour 旋律にまつろわぬ詩』 VARNA

心優しい先輩に連れられてアマチュア劇団の舞台を観に行ってきました。今まで舞台といったら先日のマウスプロモーションの『桜の花にだまされて』以来の2度目なのでひっきりなしにワクワクしておりました。
今回の舞台は『Troubadour 旋律にまつろわぬ詩』というもので、SFとファンタジーが融合したような上遠野浩平の『ぼくらは虚空に夜を視る』に似た雰囲気でした。
はじめ、観念的な詩や近未来なのに中世っぽい設定を飲み込むのに苦戦しました。中でもシーンに関係ない人が手を広げて何人かいるのが、わかりませんでした。それとパントマイムと言っていいのでしょうか。使う小道具が限られているようで、役者が動いても何をどうしているのかわかりませんでした。
うーんうーんとそれらを15分も見ていると、不思議なことに見えなかった小道具が見えてきました。別に僕が舞台を包むスモークにやられて狂ったとかじゃなくて、イメージとして理解できるようになったのです。何人かの人間は柱の役割をしていたし、扉の役割もになっていました。リアルなCGなど使わずにSFという難しいものを空間で再現できる。それに気づいたとき「表現」のおもしろさに驚きました。(今思えば若手芸人のシチュレーションコントなんかは小道具を使いませんね。)
ストーリーには関心させられました。<父/子><主人公/親友>など伝説や神話から続く物語のオーソドックスな骨組みをしていたし、序盤に小出しにされていた伏線もすべてラストには回収されていたので、納得できるものでした。ただし、アルテシアの夢がかなったのかどうか把握できませんでした。もしかして見逃したのでしょうか。
躍動感溢れる、というかもうみんな生き生きしていたので本当に元気を貰えました。もっと背筋を伸ばして明るく生きていくべきですね。少なくともマンガ喫茶で目を真っ赤にして書架を歩き回るのはやめようと思います。
キャラクターはそれぞれ味があってよかったのですが、特に行商人リッジがよかったです。主人公との掛け合いが上手かったし、天真爛漫な感じが微笑ましかった。途中まで主人公との仲が近くなってく展開だったのに、あっけなく「さよなら」しちゃったのでちょっ拍子抜けでした。一緒に行った先輩は「ロクサーヌがヒロインだ」と言ってましたけど、違いますよ。リッジです。それは譲りませんから。
というわけで、最近舞台などにも興味があります。どなたかおもしろい舞台をご存知でしたら、メイルください。